今回はiFi の新製品USB-DAC「iFi audio xDSD GRYPHON」を速攻レビューします!
「iFi audio xDSD GRYPHON」はポータブルUSB-DAC のSingularity(特異点)であり、据え置き型としてもLDAC でも有り余るパワーでリスニングできる唯一無二のポータブルUSB-DAC です!
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iFi audio xDSD GRYPHON はUSB-DACのSingularity!(レビュー)
このレビューでは採用されている細かいパーツの言及や同価格帯の競合とのスペック比較といったまどろっこしい事は一切しません。
今自分が持っている機材でiFi audio xDSD GRYPHON を聴いた率直なレビューを行います。
結論からいうとiFi audio xDSD GRYPHON は、今年一番の「つよつよ」ポータブルUSB-DAC です。
他のUSB-DAC とは一線を画す驚くような別次元の「鬼ヤバ」サウンド体験を約束してくれますよ!
仕様
入力:
Bluetooth 5.1 (aptX, aptX HD, aptX Adaptive, aptX LL, LDAC, HWA, AAC, SBCコーデック)
USB-C、S/PDIF同軸(3.5mm)/光(丸端子)
ライン入力(フルバランス4.4mm, シングルエンド3.5mm)
対応フォーマット:
DSD512/256/128/64
PCM 768/705.6/384/352.8/192/176.4/ 96/88.2/48/44.1kHz
MQAフルデコード対応(~352.8/384kHz)
Bluetooth(~96kHz)
DACチップ:バーブラウン製DACチップ
バッテリー:USB-C充電(BC1.2準拠、最大1.9A給電)
ラインセクション
出力電圧:バランス6.7V(可変)、シングルエンド3.5V(可変)
出力インピーダンス:バランス200Ω以下、シングルエンド100Ω以下
S/N比:バランス110dB(A)以下、 シングルエンド110dB(A)以下
THD+N:バランス0.007%以下、シングルエンド0.015%以下
ヘッドフォンセクション
出力端子:バランス4.4mm、シングルエンド3.5mm
出力パワー:バランス>1000mW @ 32Ω、>74mW @ 600Ω、>6.7V max. @ 600Ω
シングルエンド>320mW @ 32Ω、>40mW @ 300Ω>3.5V max. @ 600Ω
出力インピーダンス:バランス1Ω以下、シングルエンド1Ω以下
S/N比:バランス116dB(A)以下、シングルエンド115dB(A)以下
THD+N:0.005%以下(1V@16Ω)
サイズ:123x75x19 mm
重量:215g
保証期間:12ヶ月
USB-DAC iFi audio xDSD GRYPHON のサウンドを聴く!
まず筆者がどんな環境でiFi audio xDSD GRYPHON を聴いたのか紹介します。
試聴環境
以下の機材を使って有線・無線で試聴しました。
OLED ディスプレイでバッテリー残量、音源のフォーマット、サンプリング状況、ボリューム、その他機能のオンオフが視認できるのはやはり良いですね!
これ無しのUSB-DAC とか考えられないです。
試聴機材
- iFi audio xDSD GRYPHON
- Lotoo PAW S1(サウンドを比較するUSB-DAC)
- SONY IER-Z1R(有線イヤホン・4.4mm Balance)
- JH AUDIO Michelle(有線イヤホン・3.5mm シングルエンド)
- SONY WF-1000XM4(無線イヤホン)
- iPhone X
- iPad Pro (12.9inch・第5世代)
- Mac Pro 2019
試聴した楽曲
ヴァン・ヘイレン 1984
元音質:192kHz/24bit
xDSD GRYPHONでの再生:PCM 192kHz/24bit(iPhone)
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
元音質:96kHz/24bit
xDSD GRYPHONでの再生:PCM 192kHz/24bit にアップ☝︎サンプリング(iPhone)
Yami-Q-Ray
元音質:44.1kHz/16bit
xDSD GRYPHONでの再生:PCM 192kHz/24bit にアップ☝︎サンプリング(iPhone)
Vivy -Fluorite Eye's Song
元音質:44.1kHz/16bit
xDSD GRYPHONでの再生:PCM 192kHz/24bit にアップ☝︎サンプリング(iPhone)
試聴した感想
聴いてみた感想は、
☆「これこそBalanceハイレゾ!xDSD GRYPHON しか勝たん!」☆
です!
今までLotoo PAW S1 で能書きを並べていた過去の自分をぶん殴りたいです。自決ものですね。
今まで不満だったレンジの狭さから一気に解放され、パワフルでありながら滑らかで見通しが良く明るいサウンド、そしてより細かい音(bit)とより高い音(kHz)がリスニングできる事に
「あぁ、脳が震える...!」
と仰け反りました。
一聴して別次元の音がするのです!ゾクゾクとニヤニヤが止まりません!
DAC への投資はケチってはいけませんね。←
イヤホンやヘッドホンもそうですが、サウンドの善し悪しはもの凄くDAC にも左右されます。
完全フルバランス回路を搭載した「iFi audio xDSD GRYPHON」にバランスケーブルを接続した「SONY IER-Z1R」でリスニングすると、これまでのポータブルUSB-DAC では体験した事のない程の高音質さに驚きます。
「圧倒的な情報量の多さ」と「見通しの良いサウンド」はパワフルでありながら濃密で甘く優しく、サウンドを形作る音の粒子は繊細な表現も巧みです。
iFi audio xDSD GRYPHONの機能である「XSpace」は音の拡がりを拡張してヘッドホンで聴いているかのように音場が明るく広大になり、「XBass Ⅱ」はややタイトでありながら厚く深く沈み込みながらドシンとくる低音域で脳を内部から破壊します。
また艶やかでありながら伸びのあるキラキラする中高音域のサウンドは、これまでに感じたことのない心地よいサウンドのセパレーション感も相まって「優勝!」です!
最高で至高のサウンドに浸れるので、心が洗われるような爽快感すら感じます。
例えるなら「炭治郎の心の中(精神の核)」みたいです。
3.5mm シングルエンドで聴くと、音の分離感不足は否めないものの、エントリークラスイヤホン(JH Michelle)で聴いているとは思えない程のサウンド体験ができます。
これがイヤホンを「鳴らし切る」という事だと感じました。
Amazon Music Unlimited とApple Music を試聴比較!
ここに思わぬ罠がありました。
Amazon Music Unlimited の楽曲は全てアップサンプリングされる!
Amazon Music Unlimited のコーデックはFLAC です。
なので、iPhone で再生した全ての楽曲が見事に「192kHz/24bit」にアップサンプリングされます(付属のUSB-C to Lightning ケーブルで接続)。
Mac で聴く場合、AUDIO MIDI 設定から最大768kHz/32bit までアップサンプリングが可能です。
最高過ぎます!
Apple Music の楽曲は全てアップサンプリングされない!
「最大96kHz」でしか再生されません。
※ ALAC 192kHz/24bit の楽曲でも、96 kHz/24bit でしか再生されません(iPhoneで聴いた場合)。
Apple Music のコーデックはALAC という独自規格です。
日本オーディオ協会が定める定義として、録音フォーマットが
「FLAC 又は WAVファイル 96 kHz/24bit以上」
であればハイレゾ音源という定義から外れています。
世界で一般的にハイレゾファイルとして扱われているのは、FLAC またはWAV です(MQA やDSD もあります)。
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iPhoneで聴く場合、Apple Music のロスレス・ハイレゾロスレス楽曲はDAC が「ハイレゾファイルと認識しない」のでアップサンプリングされず、最大98kHz 品質でしか再生されません。
24bit/192kHz のALAC は、96kHz でしか再生されません。
とうとうApple Music は「ハイレゾっぽい音がするもの」になってしまいましたね。
機械は嘘をつきません。
しかしデスクトップ版Apple Music だとAUDIO MIDI 設定から「iFi audio xDSD GRYPHON」の出力を768kHz/32bit までアップサンプリングする事ができました。
謎です。Android だとまた違うのでしょうか?
これはiFi audio がファームウェアアップデートを提供するのを期待して待つか、Apple がフルバランス回路を搭載したDAC を発表するのを待ちましょう。
聴いても分かると思いますが、目視でサンプリング状況が確認できるOLED ディスプレイ様々ですね。
Amazon Music Unlimited とApple Music のどちらが音質が良いか?(有線)
Amazon Music Unlimited の方が高音質です。
音の粒立ちや密度、音場の広さや空気感、音の滑らかさはAmazon Music Unlimited の方が上手です。
デスクトップで実際に聴く場合は、MIDI 設定の帯域設定を行ってから聴くことをおすすめします。
当然イヤホンによっても最適(好み)な設定も変わってくると思います。
ココがポイント
”bit” 数が高いほどより原音に近い「よりきめ細かい音」になり、”kHz”の数値が高いほど「より原音に近い高い音」まで聴こえる
Amazon Music Unlimited とApple Music のどちらが音質が良いか?(無線)
有線イヤホンの性能次第です。
この場合の無線接続とは、「iPhone」と「iFi audio xDSD GRYPHON」をBluetooth でAAC 接続する事です。
(スマホとDAC をケーブルで繋いで重ね持ちしなくて済むので、以外と便利)
「iFi audio xDSD GRYPHON」と「iPhone」をペアリングすると”AAC "とGRYPHON が喋って、液晶に「AAC」と表示されます。
実際にリスニングしてみると、多少サウンドが薄味になった感じはあるものの、ワイヤレスとは思えない程のサウンドでリスニング体験をする事が出来ます。
「iPhone」と「SONY WF-1000XM4」で同じ楽曲をリスニングした場合と比較すると、「SONY IER-Z1R」で聴く方が断然良い音がしました。
しかしSONY WF-1000XM4 のサウンドはLDAC で真価が発揮されるので、今回の比較は無意味かもですね。
音質についてですが、Amazon Music Unlimited とApple Music ではサウンドチューニング自体が違うので、楽曲毎にAmazon Music Unlimited の方が良いという楽曲もあればApple Music の方が好きという楽曲もあると思います。
筆者は中低音域がボワ付かず高音域が刺さらない「Amazon Music Unlimited」の方が好みでした。
驚く程の豊富なインターフェースが拡張性の高さを約束してくれる!
パーフェクトな接続端子
USB-C とS/PDIF による接続で、PCM/DSDハイブリッドの「バーブラウン製DACチップ」が、あらゆるフォーマットで最高の音質を実現します。
フォーマットとビットレート
USB接続:
- PCM (768/705.6/384/352.8/192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)
- DSD (512/256/128/64)
- MQAフルデコード
S/PDIF接続:
- PCM (192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)
- DoP
プリアンプとなり得る出力パワーと拡張性の高さ
iFi audi xDSD GRYPHON の豊富なハードウエアインターフェース(入出力端子)は、拡張性の高さを表しています。
イヤホンやハイ・インピーダンスの開放型ヘッドホンだけでなく、プリアンプとなり得る出力パワーと拡張性の高さを持っているのです。
Fi audi xDSD GRYPHON のパワーの源は、iFiの増幅回路「PureWave」を採用している事にあります。
実に32Ωで1,000mWの出力です。
最大6.7Vの出力で、ハイ・インピーダンスのヘッドフォン(例:Sennheiser HD800S のインピーダンスは300Ω)も軽々ドライブできるパワーを秘めているのです。
出力パワー
バランス>1000mW @ 32Ω、>74mW @ 600Ω、>6.7V max. @ 600Ω
シングルエンド>320mW @ 32Ω、>40mW @ 300Ω>3.5V max. @ 600Ω
そんなパワーがあるからこそ、デスクで使う時は、アクティブスピーカーのプリアンプとして、デスクを離れた時はポータブルアンプとして、といった使い方ができるのです。
この手のひらに収まるサイズの筐体からは想像出来ない程の拡張性の高さとパワーですね。
有線に勝るとも劣らないワイヤレス接続
iFi audi xDSD GRYPHON は、最新のQCC5100シリーズチップセットを搭載し、最新のコーデックに対応しています。
- aptX Adaptive、aptX HD
- LDAC、HWA/LHDC
- aptX、aptX Low Latency
- AAC
- SBC
QCC5100シリーズチップセットは、各セクションのiFiのデジタルプラットフォームと同様に分離されています。
そのお陰で電気的なノイズが最小限になり有線に勝るとも劣らないワイヤレス接続が確立されるのです。
※ スマホやDAPが最新のコーデックに対応している必要があります。
iFi audi xDSD GRYPHON をLDAC で聴く場合の注意点
iOS 端末でAmazon Music Unlimited やApple Music を再生しても「AAC」でしかiFi audi xDSD GRYPHON と接続出来ません。
iPadOS でも同様です。
また無線(Bluetooth)イヤホンをiFi audio xDSD GRYPHON とペアリングする事も出来ません。
両方とも受信側(RX)になるからです。
※ 送信側 TX(iPhone)と受信側 RX(ワイヤレスイヤホン)があって初めてペアリングが成立します。両方受信側(RX)ではペアリングできません。
端末がiOS ではなくAndroid 8以降だとLDAC に対応しているので、「iFi audi xDSD GRYPHON」と「LDAC」で接続」してハイレゾワイヤレスサウンドを聴くことが出来ます。
まとめ
予約購入した「iFi audi xDSD GRYPHON」をサウンド面からレビューしました。
旧機種のxDSD とxCAN を融合させたDAC の様ですが、そのサウンドは回路から新設計されており、音質面でその追従を許しません。
全く異なる別次元のサウンドを聴かせてくれます。
xDSD やxCAN で不満だったところが見事に洗練されて、ポータブルでも据え置き型でもBluetooth であっても最高で至高のサウンド体験ができます。
USB-DAC 選びで今まで悩んでいた人にとっては、最高の選択になること間違いないでしょう。
この記事を読んでいるハイレゾジャンキーは、一刻も早く少々無理してでもこのDAC を購入する価値はあります。
「Android 8以降の端末」を持っている人でAmazon Music Unlimited を契約している人は、LDAC の「ハイレゾワイヤレスサウンド」を体験できるので尚更です。黙って購入しましょう!
世界的に有線イヤホンのファッション性や音質面が見直されてきて、有線イヤホンやヘッドホンをお洒落に使用しているインスタ女子を多く見かける様になりました。
が、当然良い音でリスニングするためにはDAC の存在は必要不可欠です!
このDAC で一点だけ足りない機能を挙げるとするならば、曲送り機能が無いことくらいです。
その機能さえあればスマホはバックの中に入れたまま、カフェなどで颯爽とxDSD GRYPHON をさっと取り出してさっと曲送りしてさっと仕舞ってリスニングするところを自撮りすれば、オーディオファンも納得する立派な映え映えのインスタ写真が完成です!☆
世のインスタ女子は今すぐこの「iFi-Audio xDSD GRYPHON」とハイレゾ対応の格好いい有線イヤホンを買いましょう!(または買って貰いましょう☝︎)
今回はここまで。
ではまた。